視線誘導標(デリネーター)とは / 視線誘導標設置基準
@視線誘導標とは
視線誘導標(デリネーター、デリニエーター : Delineator)とは、ドライバーに道路形状を認識させる安全設備です。線形誘導標と訳されることもあります。
・夜間、街灯がない道
・カーブ地点
・高いスピードで運転する高速道路 などでは特に効果があります。
C設置基準について
デリネーターには「設置基準」というルールがあり、狭義の視線誘導標はこれに準拠したものを指します。
視線誘導標設置基準・同解説(昭和59年10月発行) から抜粋
(補足)は当社追記部分第1章 総則 1-2 視線誘導標の定義
視線誘導標とは車道の側方に沿って道路線形等を明示し、運転者の視線誘導を行う施設をいう。
(解説)
自動車が夜間走行する場合には、その前照灯によって進行方向を明らかにして道路線形等を把握し、走行、避走、停止などを行う。
しかし、前照灯によって明確に把握できる範囲は限られているため前述した走行基準を得ることが困難となり、安全かつ円滑な交通の確保に支障が生じる場合がある。
これに対処するために設置される道路の附属分として、道路照明施設があるが、設置・維持に多額の費用を要するため、ある交通量以上の道路を対象に設置しているのが実態である。
また、前照灯からの光の再帰反射を利用したものとして区画線があるが、反射光量が少なく、十分な視線誘導効果を期待できない場合がある。
このようなことから、費用、効果等を考慮した夜間における視線誘導方策として視線誘導標が有効と考えられる。
第2章 構造諸元 2-1 各部材の名称
視線誘導標の各部材の名称の意義は下記記号に定めるところによる。
(1)反射体 視線誘導標の本体で、自動車の前照灯による光線を再帰反射させる部分をいう。
(2)反射体取り付け枠 反射体を支柱に固定し、かつ反射体を裏面及び周囲から保護するためのものをいう。
(3)反射器 反射体及び反射体取り付け枠からなる部分をいう。
(4)支柱 反射器を所定の位置に固定するものをいう。
(補足) 各部材の名称
第2章 構造諸元 2-2 構造形状
(1)反射体の形状は丸型とし直径70mm以上100mm以下とするものとする。
また反射体裏面は蓋等で密閉し、水、ごみ等の入らない構造とするものとする。
(2)支柱は反射器を所定の位置に確実に固定できる構造とするものとする。
(解説)
(1)反射体
反射体の直径は大きいほど反射光量が増加し遠方からの視認性が良いので、自動車の走行速度が高い場所、路外の危険度が高い場所等のような区間は
大きい反射体を設置することが望ましい。
原則として矩形(縦長と横長の場合がある)は使用しないが、止むを得ず使用する場合は所定の有効反射面積を確保するものでなければならない。
(2)支柱
表2−1は、支柱の諸元について、標準的な設置条件を仮定して、その望ましい値を示したものである。
注)1. ( )内は材料にポリエチレン樹脂を使用する場合
2.
外径及び厚さについては、表中に掲げている数値によって定まる断面係数と同等以上のものとする。
(補足)丸パイプの断面係数
第2章 構造諸元 2-3 色彩
第2章 構造諸元 2-4 反射性能
第3章 設置計画
(一般国道等)
(3-1 一般国道等 3-1-2 設置方法)
(1)設置場所等
1)視線誘導標の設置場所は、左側路側を原則とし、必要に応じて中央分離帯および右側路側等にも設置するものとする。
2)視線誘導標の反射体の色、個数及び大きさは次表に示すとおりとする。
(解説)
現在、主に直径70mm、80mm、100mmの反射体が用いられているが、速度が高い区間、交通量が多い区間では反射光量を大きくし、
視線誘導効果を高めるため直径100mmの反射体を用いることが望ましい。
(2)設置間隔
視線誘導標相互の設置間隔は、道路の線形等を勘案し、定めるものとする。 ただし、最大設置間隔は40mとする。
(3)設置位置及び設置高さ
視線誘導標の設置位置は、車道の建築限界の外側直近に設置するものとする 反射体の設置高さは、路面上50cm以上100cm以下の範囲で
道路の区分毎 に定めるものとする。
(解説)
本基準では、設置高さを50cm~100cmとしているが、一般的には、OECDに
おける検討結果及び防護柵等に設置する場合も考慮すると、設置高さは
路面上から反射体の中心まで90cmを標準とするとよい。
(高速自動車道路)
(3-2 高速自動車国道等 3-2-2 設置方法)
(1)設置場所等
1)視線誘導標の設置場所並びに反射体の色、個数、配列及び大きさは、次表に示すとおりとする。
(2)設置間隔
視線誘導標相互の設置間隔は、道路の線形等を勘案し、定めるものとする。 ただし、最大設置間隔は50mとする。
(3)設置位置及び設置高さ
1)視線誘導標の設置位置は、建築限界の外側直近に設置するものとする。
2)視線誘導標の設置高さは、本線左側路側に設置する場合、路面上から反射体の中心まで120cm、
その他の場所に設置する場合、路面上から反射体の中心まで90cmを標準とするものとする。
(補足)反射体色の配置について
反射体色は、運転者から見て、左側が白、右側が橙色とする。
設置参考図
(左図)上り・下り線が独立しており、中央分離帯が広い場合、4つの片面型の視線誘導標を設置する。
(中図)中央分離帯が狭い場合、中央分離帯には両面平行型を使用する。
(右図)中央分離帯がない場合、路肩側に両面角度付型を使用することで2つの誘導標で賄うことができる。
(1)設置場所等
1)視線誘導標の設置場所並びに反射体の色、個数、配列及び大きさは、次表に示すとおりとする。
(2)設置間隔
視線誘導標相互の設置間隔は、道路の線形等を勘案し、定めるものとする。 ただし、最大設置間隔は50mとする。
(3)設置位置及び設置高さ
1)視線誘導標の設置位置は、建築限界の外側直近に設置するものとする。
2)視線誘導標の設置高さは、本線左側路側に設置する場合、路面上から反射体の中心まで120cm、
その他の場所に設置する場合、路面上から反射体の中心まで90cmを標準とするものとする。
(補足)反射体色の配置について
反射体色は、運転者から見て、左側が白、右側が橙色とする。
設置参考図
(左図)上り・下り線が独立しており、中央分離帯が広い場合、4つの片面型の視線誘導標を設置する。
(中図)中央分離帯が狭い場合、中央分離帯には両面平行型を使用する。
(右図)中央分離帯がない場合、路肩側に両面角度付型を使用することで2つの誘導標で賄うことができる。
第4章 材料 4-1 材料
視線誘導標に使用する材料は、十分な強度を有し、耐久性に優れ維持管理が容易なものでなければならない。
(解説)
視線誘導標に一般的に使用されている材料は、金属、合成などがありこれを各部材ごとに大別すると表4−1のような種類になり、設置場所の状況などを考慮して
各々の特性を生かしたものを使用しなければならない。
第4章 材料 4-2 防錆処理
鋼管、鋼板等は十分な防錆処理を施さなければならない。
(解説)
(3)溶融亜鉛めっきによる場合
支柱に使用される鋼管及び取付金具に使用される鋼板等を溶融亜鉛めっき処理する場合は JIS H 8641「溶融亜鉛めっき」の2種HDZ35に規定されているものと
同等以上の品質を有するものとする。
その他、ボルト、ナット等の表面処理についても溶融亜鉛めっきを原則とする。
(補足)
JISでは、鋼板の厚みに応じて必要なメッキ膜厚(HDZT)が定められています (令和3年12月20日改正)日本溶融亜鉛鍍金協会資料より抜粋
当社では、設置基準とJIS基準の双方に準拠したメッキ付着を行っています。
(付録ー2)防塵視線誘導標
(付録ー3)三眼視線誘導標
高速自動車国道等の分合流部のような特殊部では、注意を喚起する意味から橙色の視線誘導標を縦または横に三眼に配列して設置している例がある。
参考として、その形状例、設置例を付図3-1, 3-2に示す。なお、付図3-1のAは分流部ノーズ及び減速車線の始点に、Bは合流部ノーズ及び加速車線の終点に設置される。
(補足画像)
(付録ー4)線形誘導標示板
線形誘導標示板は、急カーブなどの見通しが悪い場所で、道路の線形及び屈曲の度合いを運転者に明示するための施設である。
諸外国では警戒標識の一種として取り扱われているが、日本では広義の視線誘導標として取り扱われる場合が多い。
(補足画像)
(付録ー5)視線誘導効果を有するその他の施設
[大型デリネーターの使用例]
反射有効径 100<D<300
D:反射体の直径
大型デリネーターは障害物や急カーブ等の危険な場所を明示して、事故の防止や構造物の保護を図るために設置されている。
(補足画像)